歯の破折症例

最近、2人の患者さんが自転車で自損事故を起こして来院しました。

1人の患者さんは前歯部の歯根部の破切のため来院してインプラントを行うことになりました。
こういう症例ではすぐに仮歯を入れる必要があるため、いきなりノーベルバイオケア社製のスピーディインプラントを埋入します。インプラントの長さは歯根よりも5mm以上長いものを埋入して埋入トルクが35Ncm以上にします。そして骨補填剤をインプラントと抜歯窩のすきまに填入し、土台(アバットメント)を装着し仮歯をセットします。数か月後上部構造の製作に入ります。

もう1人の患者さんは下顎骨の骨折、上顎の小臼歯部の2歯が歯根まで破折、他に小臼歯部から大臼歯部にかけて7~8歯歯冠部が破折しました。
下顎骨の骨折は大学病院で入院して手術するほどでした。
歯根破折した2歯のうち1歯は大学病院で、1歯は当院で抜歯しました。抜歯した2歯は小臼歯で歯根の先端部分から上顎同底までの距離があまりにないため埋入してすぐ仮歯まで出来ません。この症例は①何も処置しないで骨が出きてくるまで待つ、②抜歯窩に骨補填剤を填入して数か月待ってインプラントを埋入する、③インプラント埋入と同時に骨補填剤を填入して数か月待つ、の3つの方法があります。
インプラントの経験が浅い先生は①と②の方法がいいと思います。③の方法でする場合、初期固定が弱いためインプラントの種類を選ばなくてはいけません。当院ではジンマー社製のHAコーティングのインプラントを使用しています。
そして数か月後上部構造の製作に入ります。
今回続けて自転車の事故で来院されましたが、皆さんも自転車の運転には気を付けましょう。